dt=fi(xj,t), for i,j=1,...,nが初期条件xi(t0)=xi0, for i=1,...,nの元で原理的に解けるかどうかを考えよう。差し当たり、右辺 fi(xj,t) は何回でも t で微分可能としよう。直感的には、次のようにして、この方程式群には解が一意的に存在することを示すことができる。t=t0 での微係数は
と書き直すと、これは (qi,𝜉i) の計 2f 個を変数とする、2f 個の( t についての) 1 階連立常微分方程式となる。2 番目の式は、添え字を i から j に変更して、∂2L
∂𝜉j∂𝜉k␒𝜉k+∂2L
∂𝜉j∂qk𝜉k+∂2L
∂𝜉j∂t-∂L
∂qj=0行列(A)ij≡∂2L
∂𝜉i∂𝜉jについて、det(A)≢0として、 A が逆行列 A-1 を持つものとすると、各項の左から (A-1)ij をかけることにより、
(A-1)ij(A)jk␒𝜉k=𝛿ik␒𝜉k
=-(A-1)ij(∂2L
∂𝜉j∂qk𝜉k+∂2L
∂𝜉j∂t-∂L
∂qj)
∴␒𝜉i
=-(A-1)ij(∂2L
∂𝜉j∂qk𝜉k+∂2L
∂𝜉j∂t-∂L
∂qj)
qi,𝜉i それぞれについて f 個の正規型 1 階常微分方程式を得ることができた。この時、Lagrangian L は正則であるといい、各式の右辺が Lipschitz 条件を満たせば、その Lagrange 方程式は原理的に一意解を持つことになる。まとめると、Lagrange 方程式が正規型に変形できる条件は、det(A)≢0で、さらに正規型で一意解を持つ十分条件は、変形後の各式の右辺が Lipschitz 条件を満たすこと、となる。すぐ後にも出てくるが、行列(A)ij≡∂2L
∂𝜉i∂𝜉jを、Hesse(ヘッセ)行列という。では L が正則でない場合はどうなるか?この場合、𝜉i について f 個の方程式が微分方程式として独立ではなくなり、特別な場合を除いて、解が定まらない。数学的には興味深いが、物理的に興味があるのはやはり、Lagrange 方程式が解を持ち、未来が予言できるようなものなので、この先、特に断りがない限り、 L は正則で、かつ一意解を持つものとして話を進めることにする。一般化運動量から一般化速度は逆に解けるか一般化座標 qi に対し、Lagrange 方程式の d